巡礼路を歩く2016~Q&A~

よく質問されることをまとめてみました。
ちょっと長いです。


1,なぜ行こうと思ったの?
ヨーロッパのあちこちで目にするホタテ。
ブリュッセルのグランプラスにあるホタテ

もともと海が大好きなので「なんだろうこの貝の飾り!素敵~!」というところから始まりました。これが何を意味するのか、友人から聞いたときにはとても驚きました。

ホタテはフランス語でcoquille Saint-Jacques(聖ヤコブ貝)この綺麗なホタテを追って歩けば、聖ヤコブの眠るサンティアゴ・デ・コンポステラに着くなんてスゴイ!いつか歩いてみたい!

 この「いつか」は、老後に時間ができてからかなぁ、なんて考えていました。

 ちょうど同じ頃、スペインの「中世とルネサンス音楽のサマーコース」に参加した時に出会った、ハーディガーディという楽器に夢中になり始めました。この楽器で中世音楽をやりたい!と思い色々調べ始めたところ、サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂にある『栄光の門』に、最古のハーディガーディ(オルガニストルム)の彫刻があることと、よく演奏される中世音楽「聖マリアのカンティガ集」の入ったカリクストゥス写本は、サンティアゴへの巡礼の案内書だったということを知って、ワクワクが最大に!すぐに行こう!と思ったのです。
オルガニストルムを弾く二人の楽士



2,誰が歩いてもいいの?
Yes!
『巡礼』というと、敬虔な信者だけがするものだと思っていましたが、どんな理由で歩いてもOK。わたしが出会った人たちも宗教以外の様々な目的や理由で歩いていました。巡礼の事務局も「巡礼路はキリスト教以外の人たちにも開かれている」と、これによってキリスト教に関心を持ってもらえたらという考えのようです。


3,何人で行ったの?
一人。
自分のペースで歩いて、自分のペースで休憩ができるので、一人が圧倒的に楽です。例えば、一緒に歩いている人が写真を撮るために立ち止まったりまた歩き出したりすることに付き合うだけで体力が消耗していくのを感じるくらい体が限界の日もあります。また、一日に歩ける距離も人それぞれだと思うので、人に合わせることがストレスになることも。歩くこと以外に力を使いたくなかったので、一人でよかったです。

でもいつかは大切な人とゆっくり歩く巡礼っていうのもやってみたい。


4,どこに泊まるの?
巡礼宿です。巡礼手帳があれば泊まることができます。教会や修道院が運営している公営のものと、そうではない私営のものがあります。安くて4ユーロ、高くて12ユーロ、料金がなくて、献金する宿もありました。チェックインは午後の早い時間で、チェックアウトは朝の8時前後のところが多く、基本的に連泊はできません(一度は外に出ないといけない)。
二段ベッドがずらっと並んでいて、男女ごちゃ混ぜのところがほとんどでした。

シャワーや洗濯スペース、キッチンなどが付いています。コンセントは人数分無いところも多いので、譲り合って使いました。
ここでの交流は、今思い出しても涙が出そうなくらい温かくて、とても楽しかった。


5,食事は?
夕食を出してくれる宿もありましたが、ちょっと高いのと、わたしにとっては多すぎたので、最初の3回くらいでやめました。それ以降は商店を見つけたらパンと果物、缶詰などを買って、サックに入れて歩いていました。良い景色の場所を見つけて、そこで食べるのが最高でした!みんなそういう場所を見つけるのがとても上手で、それだけでも人生の楽しみ方を教わった気がします。

もちろん外食もしました。
すごく安いのです!
ワインを頼んだらついてくるおつまみ(ピンチョス)だけでも十分で、1ユーロで済ませた食事もありました笑。


6,一日どのくらい歩くの?
わたしは平均で32.5km歩きました。
最短で25km、最長50kmです。後半は体が慣れてきて、ずっと平らな道なら時間の許す限り歩けそうな感じでした。

もちろん人それぞれなので、一日5~6kmの人もいれば、毎日50km、なんて驚くべきタフな人もいたり

そして面白いのは、「今年は〇〇まで歩いて、来年その先を、再来年は」という風に小分けにして歩いている人もいるというところ。

どんなやり方でもサンティアゴ・デ・コンポステラに着けば良いのです。


7,歩きながら何を考えた?
これは色々な人からされる質問。
期待に答えられなくてごめんなさい。
わたしも「歩きながらどんなことを考えて、自分はどんな風に変わるのだろう」と楽しみだったのですが、実際に歩きながら考えたことは、主に『体の使い方について』でした笑。
どうやったら疲れにくく歩けるのか、人間として自然な動きとはどういうことか、そんなことばかりを考えていました。


8,出発前のトレーニング?
体力には自信があったので、トレーニングはしませんでしたが、後悔しています。

一番最初に痛めたのは手首でした。
毎朝『寝袋を寝袋入れにしまう』という行為が本当に大変だったので、この練習は絶対にしていったほうがいいです!!

あとは、階段を降りるというトレーニング。ほとんどの人が、下り道で膝を痛めます。

大事なことなのでまとめると、
①寝袋をしまうトレーニング
②階段を降りるトレーニング
をしてから出発しましょう。


9,道に迷ったりしないの?
ボーッと歩いているとホタテを見逃したりして、5回は道を間違えました。
が、その度に地元の方が教えてくれました。車の人がわざわざ戻ってきて教えてくれたり、テラスで読書中のおばあさんが「違うよー!」叫んでくれたり笑。なので大ごとにはならずに済んで良かったです。


10,危なくないの?
山道で危険なところはあります。寒い季節は遭難して死者が出ることも。巡礼路沿いにはいくつも現代の巡礼者のお墓がありました。山にはシェルター(小さな避難小屋)があります。

巡礼中に、強盗などの被害は聞きませんでした。お店や教会に入る時、大きくて汚いサックは外に置きっ放しにするのですが、全く問題はありませんでした。巡礼者から物を盗ろうとは考えないのかもしれません。(でも荷物の管理は自己責任です)


11,気づいたルール
道にゴミを捨てないとか、人の家の庭でウンコしないとか、当たり前のことはおいておいて、

宿で気づいた暗黙のルールのようなものを紹介します。

①夜にトイレを流さない。
初日の宿で、夜中にトイレに起きたら、前に使った人が流していなかったのです。どうしてだろう?と考えて、わたしも流さなかった。で、次の人も流さなかったのです。ああこれは流す音で寝ている人を起こさないためなのだなと思いました。(詰まらないように紙はゴミ箱へ)

②朝の準備は寝室の外で。
朝は6時に出発する人もいれば8時の人もいます。起きたら荷物を全て持って寝室から出て、食堂や外で着替えと準備をします。ビニールの音やファスナーを開け閉めする音で、まだ寝ている人を起こしてしまう可能性があります。




さて、次はいよいよ出発地点のサン=ジャン=ピエ=ド=ポルに向かいます。

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